開院50周年を迎えて
誠仁会の50周年という大きな節目に立ち会うことができ大きな喜びを感じています。医療法人社団 誠仁会は初代理事長の吉田豊彦先生により1975年10月1日に透析と泌尿器科の専門施設として千葉市真砂に開設されました。開設当時の1975年における透析患者は全国で13000人であったとのことですが、その後本邦の透析患者は増加を続け2021年に347900人でほぼピークを迎えたようです。
この間、透析医療の進歩は甚だしく、週3回数時間の治療は必要ですが、透析をうけていても元気に生活できる時代となっています。誠仁会での透析歴が45年を超える患者さんも数人おられます。誠仁会は現在、本院であるみはま病院、みはま佐倉クリニック、みはま成田クリニック、みはま香取クリニックの4施設からなりますが、4施設で1100人を超える透析患者さんが在籍して居ます。
どの施設においても腎不全患者の社会復帰を支援するという使命のもと夜間透析を実施しております。初代理事長は本邦の透析医療の進歩に尽力し、透析医療の保険診療や災害対策などに大きく貢献してきました。私は2019年より2代目の理事長として誠仁会を引き継がせていただきましたが、初代理事長の志を継承し更に発展させていきたいと思って活動しています。
泌尿器科医療においては開設当時には手術といえば開腹手術が主で、内視鏡手術は経尿道的前立腺手術や経尿道的膀胱内手術がやっと始まった時代でした。1985年ころより結石の手術は体外衝撃波尿路結石破砕術や内視鏡手術に、2000年ころからはその他の手術が腹腔鏡手術やロボット支援下の手術に置き換わるというような大きな変化がみられています。現在、大病院では悪性腫瘍の治療とロボット手術が主体になっております。当院においては腹腔鏡手術には対応していますが、どちらかといえば大病院の手が回らない結石の手術と前立腺肥大症手術が中心となっていました。ただロボット手術に関しては今後もさらなる技術革新が行われ一般的なものとなっていくと思われ、当会でも2025年5月にはロボット手術開始に向け準備を進めています。
誠仁会の医療の3本の柱の最後の慢性腎臓病重症化予防に関しては、2011年に白井厚治先生を迎えてから徐々に対応が進んできています。腎臓内科の先生もスタッフに加わり週5日は慢性腎臓病重症化予防外来を行っております。今後はすべての施設で充実できるよう努力していきたいと思っています。
今後とも泌尿器科、人工透析・慢性腎臓病重症化予防の専門医療施設として他施設と連携して地域医療に貢献してゆきます。千葉県で泌尿器科といえば「みはま」、透析といえば「みはま」と言われるよう、変わらぬ信念のもと更なる発展をめざして職員一同ががっちりとスクラムを組んで進んでいけるような医療機関運営をしていきたいと思っています。